杖の材木偽装事件について、マーリン評議会が警鐘を鳴らす。
- Wataru Kashirabe
- 7 日前
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更新日:5 日前

マーリン評議会の内陣が10日、広報部を通して、昨今の魔術用具品質低下問題について警鐘を鳴らした。
「かつて名誉組合(リヴァリ・カンパニー)が杖の品質管理を厳格に行っていた時代とは異なり、昨今ではその入手経路も多様化した。その分市場には粗悪な品が出回り、伝統や品位よりも目先の利益だけを追求する輩も増えた。魔術師諸君におかれましては、このような時代だからこそ、品性ある振る舞いが求められるのだということを自覚していただきたい」と注意を呼びかけた。
この声明は、先月問題となったC&W商会による杖の材木偽装事件を受けて行われたものだ。同社はセイヨウトネリコと偽りアオダモの枝を使った杖を販売していたとして、P局の摘発を受けた。
アオモダは同じトネリコ属に分類される植物だが、一般的にセイヨウトネリコと比べれば魔術触媒としての質は劣るとされる。こうした隠されし世界における原材料の偽装事件が多発する背景には、ブレグジットを初めとした英国経済の混乱があるとされている。
一方、マーキュリー・コレギウムなどに属する一部の魔術師たちからは「物価高を考慮すべき。理論上はペンライトでも呪いは放てる」との声も上がっている。そもそも魔術に杖を必要としない者たちも多いが、こうした現代的な物品の利用は、伝統的な魔術触媒の高級化に対する解決策の1つとなる可能性もある。ただし、この分野についてはまだ不確定な要素も多く残されているため注意が必要だ。今年の6月には、蛍光灯を杖代わりに雷を操作しようとした天候術師の死亡事故が起きている。