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【NPC】ロンドンの情報屋たち

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今回はロンドンでの探索で役立つ(癖のある)情報屋のNPCを3人ご紹介します。

これらのNPCは自由に設定を増やしたり、名前を変えて登場させてもかまいません。



エーデラッテ

(Ederatte)

エーデラッテはひょろっとした長身の男性で、薄汚い格好をしている。年齢は不詳だが若く見え、少し吃ったような話し方をする。


運が良ければグージー・ストリート駅の地下鉄ホームで会うことができる。彼はロンドンの地下を駆け回る人鼠(ウェアラット)の情報屋で、主に鼠たちの情報網から得られる地下世界の情報を教えてくれる。彼らの人鼠グループは特殊な暗号を用いて情報をやり取りする。それはレッド・レスター暗号と呼ばれるもので、レッド・レスターチーズにつけた噛み跡の大きさや数、歯型の並びによって仲間に様々な情報を伝える。もし鼠の噛み跡が不規則に残されたチーズを見つけたら、それはエーデラッテたち人鼠の暗号文なのかもしれない。


情報のタイプ

彼らは主にロンドンの地下世界で起こる事情に精通している。もちろんそれはトンネラーズやスゥーア・ハンターズといった隠人ギルドも同じだが、彼らを頼ることのできないやや後ろめたい事情を持つ者にとっては、エーデラッテはまさに救世主となる。鼠たちは下水道を移動する怪しい存在だけでなく、隠人たちの動向も監視しているのだ。


勢力との関係

エーデラッテたちはロンドンに忍び込もうとする吸血鬼にすら情報を売るため、トンネラーズやスゥーア・ハンターズなどの隠人ギルドや、P局、聖ベーダ騎士団とも対立している。一方で誰にも見られずにこそこそと動き回りたいマーキュリー・コレギウムや王冠党からは、秘密裏に支援を受けている。


原動力:地下世界の情報網を牛耳る

身体技能:運動1,認識力3,隠密3

知力技能:ビジネス2,伝承1

社会技能:魅力1,話術2,世渡り2

特性:〈変身者(鼠)〉〈素早い反射神経〉〈夜目〉〈忍び足〉

制約:〈印付き(齧歯類の歯)〉

耐久力:9

精神力:8

ダメージ:d6+1(ナイフ)




アガサ・リリアン・フィンケ

(Agatha Lillian Vinke)

アガサは全体的に少し時代遅れな服装をした若い女性で、長い黒髪と黒縁メガネが特徴的。彼女は常にどこか夢現な感じで周囲を見回しては、誰もいない方向に向かって微笑みかけているような人物のため、友人は多くない。だが幻視を持つリミナルズであれば、彼女の視線の先に佇む亡霊の姿が見えるかもしれない。


彼女にはブルームスベリーにあるカフェ「イートンベル」で会うことができる。彼女は亡霊に対する強い共感性を持っており、ロンドン中を歩き回っては古い亡霊たちの話に耳を傾け、彼らの話し相手になっている。そのため、彼女の耳にはジョージ王時代のくだらないゴシップから、マーリン評議会の魔術師ですら知らないようなロンドンの古い秘密まで、実に多種多様な昔話が入ってくる。彼女は何よりも古い時代の話や怪談話(ゴーストストーリー)を愛しており、それを収集することを喜びとしている。


情報のタイプ

彼女から得ることのできる情報は現代のロンドンについてではなく、亡霊たちが語る数世紀前の古いロンドンについてのものだ。かつてグロスター・プレイスで殺人事件が起こったことはなかったか?ヴィクトリア朝時代にはあの空き地には何があったのか?もちろん古いアーカイブを調べたり、直接亡霊を見つけて話を聞くこともできるが、そうした昔話をアガサが知っている可能性は高い。多くの場合、彼女が情報の対価に求めるものは、彼女のまだ知らないような興味深い昔話だ。


勢力との関係

アガサは完全に独立した個人であり、いずれの勢力にも属していない。彼女自身も勢力の利害関係には興味がなく、ただ亡霊たちから古い物語を聞くことだけを生き甲斐としている。稀に彼女が持つ昔話を頼ってP局が捜査協力を依頼することがある。


原動力:ロンドン中の昔話を収集する

身体技能:認識力1

知力技能:芸術1,伝承4(亡霊)

社会技能:共感力3,信念1

特性:〈幻視〉

耐久力:8

精神力:8

ダメージ:d6(素手)



K6-34


K6-34は、サザーランド・アベニューとカステレイン・ロードが交わる交差点にある赤い電話ボックスだ。表に聖エドワード王冠の十字が彫られた特殊なクラウン銀貨さえあれば、この電話ボックスからK6-34と呼ばれる謎の人物に電話をかけることができる。しかし、この“シルバー・クラウン・クラウン”とも呼ばれるコインは、隠されし世界の中でもあまり流通しておらず、極めて希少性が高い。それこそコインを手に入れるためだけのシナリオが必要なくらいだ。


コインを入れて受話器を上げると、数十秒後に決まって「やあダイアナ。今度はどいつのクローゼットの中身を調べればいい?」という男性の声が聞こえる。そこで調査してほしい人物の名前を伝えて電話を切ると、ちょうど一週間後の同じ時間にこの電話ボックスに電話がかかってきて、そこで依頼した人物の直近7日間の行動を細かに教えてもらうことができる。依頼人の名前を伝えるときは、可能な限りその人物の詳細を伝えるようにした方がいい。単純に名前だけを伝えた場合には、同姓同名の別の人物について調べてくる可能性が高い。


K6-34の起源や正体については定かではない。ロンドンの隠されし世界でこの電話ボックスの存在が認知されたのは2000年代に入ってからだ。当初K6-34と呼ばれる電話ボックスはイズリントンにあったが、ボックスの撤去に伴いアルバマール・ウェイへ移り、その後現在のサザーランド・アベニューに移った。K6-34の正体については亡霊や妖精の仕業、何らかのアーティファクト、魔術師による呪いなど様々な説が囁かれて来たが、今の所これといった定説はない。この電話ボックスにまつわる都市伝説として、男が口にする「ダイアナ」という人物について逆に尋ねようとすると、恐ろしいことが起こる。というものがある。これを実際に試したリミナルズがいるかは定かではないが、そもそもシルバー・クラウン・クラウンを入手すること自体が困難なのだから、そう簡単に試せるものでもないだろう。





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